3BookPick

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N010 | Googleに学ぶ、未来の自分が後悔しない時間の使い方

作者

リデ

リデザインドジェーピーGK

Creator

更新日

3/24/2025

「暮らすと働くをリデザインしよう」というテーマで、ワークライフデザインについて語るイメージです。砂時計が象徴的に配置され、時間の流れと人生設計の関連性を表現しています。洗練されたデザインと落ち着いた色合いが、思慮深い雰囲気を醸し出しています。

ハウツー本の先にある本質的な生産性向上とは?テクニックではなく「計画」と「ポリシー」の重要性、そして未来の自分が望む働き方を実現するための具体的アプローチを紹介します。

こんにちは、のりーです。来週からは新年度ですね。九州は桜が咲きました。
前回は「地域×大学×金融機関の連携」による地方創生の可能性をお伝えしました。

今回は視点を変えて、私たち一人ひとりの働き方に焦点を当てます。
最近私が読んだ本を題材に、生産性向上のテクニックを超えた、本質的な時間の使い方について考えてみましょう。

✨️今週のBookPick:『Google流みるみる生産性が上がる「働く時間」の使い方』

変われないのは、ハウツーを知らないからじゃない

時間管理の本を読んだり、アプリを試したり、色々チャレンジしても、結局いつも同じ忙しさに戻ってしまう…そんな経験、ありませんか?

それは、もしかすると「テクニックを知らないから」ではなく、「計画」と「ポリシー」がないからかもしれません。
表面的なハウツーだけでは、自分に合っていなかったり、なぜそれが良いのか腹落ちしていなかったりして、長続きしないのです。

実は、ハウツーに関する本は、どれも言っていることが似ています。
つまり、やるべきことはだいたい同じ。
そのことに気づいてからの私は、長らく仕事に直結するハウツー本は読んでいませんでした。

しかし今年1月、約10年にわたって自分のペースで働いてきた私は、再び組織に所属することになりました。そして時間の使い方を見直す必要に迫られたのです。

新しい職場では長時間労働が常態化していました。これはこの会社だけの問題ではありません。20代のとき所属していた組織の長時間労働ぶりはそれ以上でしたし、残業が常態化している組織は日本中に山ほどあります。

長時間労働の問題—「やらされ感」と悪循環

念のためお伝えしておくと、長時間労働そのものが悪いとは私は思いません。
本人が必要と楽しみを感じているなら、よいと思います。

問題は自分の優先順位に沿っていない仕事、わかりやすく言うと「やらされ感」のある仕事に長時間取り組まされることです。

現在、私は社内の横断プロジェクトである業務改善チームにアサインされています。
メンバーの一員として職場を観察するうちに、深夜まで残業して疲弊し、本来対応すべきことに対応できていない人たちに気づきました。

背景には、事前に計画せず、場当たり的な働き方をしている様子が見受けられました。
気持ちに余裕がないので、ミスをする→モチベーション低下→生産性が下がる→さらに長時間労働が必要になる…という悪循環に陥っていたのです。

ある同僚はパートナーとの約束より、役員との会食を優先した際「サラリーマンだから」と言っていました。
直近の約10年を、自分のペースで働いてきた私にとって、この光景は衝撃的でした。

大切なものは、時間の使い方を見ればわかります

どんなに「家族が大事」と言っていても、実際にプライベートの約束より、後から入ってきた仕事の用事を優先させたなら、仕事が最優先ということ。その働き方を続けていて、未来の自分を失望させないのだろうか…と考えずにはいられませんでした。

その同僚は優秀な人人です。だからこそ、責任ある立場に就いているわけですが、それでも私には疑問が残りました。

「計画」って、ガチガチで息苦しいものじゃないの?

ところで「計画」と聞くと、あなたはどんなイメージを持ちますか?私は以前、計画に対してこんなイメージを持っていました。

  • 柔軟性を奪うもの
  • 無機質で、一度決めたら変更できないもの
  • そもそも、計画通りにいかないことが多いのだから意味がない

フリーランス時代は、経験を積むにつれて「この仕事にはこのくらいの時間がかかる」という感覚が身についたので、カレンダーに何を、いつやるかを書くだけで十分でした。

しかし、組織の一員になると、自分だけで時間をコントロールできないことが山ほど出てきます。
会議が時間通りに終わらない、情報共有のためだけに参加を求められる会議、突然の相談や連絡…。
そんな状況で「感覚」だけで時間管理をしようとしても、うまくいくはずはありませんでした。

Google流の「働く時間」の使い方を紹介する書籍の表紙です。生産性を上げるための実践的なガイドであり、Googleの生産性エキスパートが教える時間と仕事の最強メソッドが詰まっています。鮮やかな色使いと、効率的な働き方をテーマにしたデザインが印象的です。

「一人の働き方と、組織の働き方では、時間の使い方が違う」そのことを実感しはじめたときに出会った『Google流みるみる生産性が上がる「働く時間」の使い方』。この本を読んだ私は、大事なことは、ハウツー以前に、計画とそれを裏づけるポリシーである、という考えに至りました。

本書を読んで特に重要だと感じたのは、以下の3つです。

1. 判断軸となる「優先順位トップ3」

計画を立てる前に、まず自分の価値観を明確にする必要があります。著者が提案する実践的な方法の一つが「自分の優先順位トップ3に沿って計画を立てる」というものです。仕事、家族、健康、趣味…自分にとって本当に大切なことは何かを明確にすることで、時間の使い方に一貫性が生まれます

私は本書を読んだ後、自分の優先順位トップ3を考えてみました。
「1.心と体の健康、2.家族との時間、3.仕事」—これが私の答えでした。
心と体の健康はすべての土台です。

自分の健康をないがしろにして、他人のケアはできないと私は思います。
そして、仕事は社会とつながり、成長のための機会です。

この優先順位に基づいて判断すると、残業するか帰宅するかの選択に迷ったとき、「家族との時間」を2番目に置いている私なら、特別な理由がない限り帰宅を選ぶべきでしょう。

興味深いことに、著者は他人にも「あなたの優先順位トップ3は何ですか?」と積極的に尋ねるそうです。
優先順位を知ることで、その人の価値観や行動の背景にある考えが理解できるようになり、人間関係の摩擦を減らし、より良いコミュニケーションが可能になるからだそう。ぜひ取り入れたい質問です。

2. 未来の自分への投資としての計画

優先順位が明確になったら、計画を立てます。
計画は、単なるスケジュールではありません。未来の自分をデザインする行為です。
今の自分ではなく、未来の自分が何を望むかを考えながらスケジュールを組むことで、本当に大切なことに時間を使えるようになります。

会議については、私の認識が甘かったと気づきました。本を読んでからは、事前に目的を設定し、アジェンダを共有するようにしたのですが、それでも時間通りに終わらないことがありました。今後も、会議の進め方も「計画」するという視点を持って、取り組んでいきたいと考えています。

3. 無理のない計画を立てるためのエネルギー管理

計画がきちんと機能するためには、無理がないことが必要です。
著者はエネルギーを「ポイント制」として捉えることを提案しています。

エネルギーレベルは1日の中で変化します。自分の気分や体調にもっと自覚的になり、エネルギーの波を理解することが大切。つまり、私たちは誰もが、一日に使えるエネルギーポイントが限られているのです。

私は朝方なので、集中作業は午前中が最適だと気づきました。顧客対応や打ち合わせは午後に設定するようにしています。

具体的には、こんな風に1日のスケジュールを組むことにしました。

  • 午前(エネルギー高): 一人で集中して取り組むタスク
  • 午後(エネルギー中)会議、打ち合わせ
  • 夕方(エネルギー低): 業務の進行に直結しない打ち合わせ、簡単な事務作業

3年ほど前から、私は運動不足解消のためにヨガを日課にしています。この本では、瞑想の重要性が書かれており、日常生活にヨガを取り入れることは理にかなっていると感じました。

ヨガマットの上で、猫のポーズをとる女性。リラックスした雰囲気の中で、心と体を整えている様子が伝わってきます。背景の木々やウッドデッキが、自然の中で行うヨガの心地よさを表現しています。

毎日取り組むことで、以前は常に時間に追われている感覚があったり、「やる気が出ない自分」にうんざりしたりしましたが、最近はエネルギーレベルに合ったタスクに落ち着いて取り組めています。

未来の自分のために、今日から始める一歩

働き方の問題に取り組むことは、生産性を高めるだけでなく、もっと大きな問題の解決につながると私は考えています。
生き生き働く人が増えれば、世の中の空気を明るくしてくれるでしょう。
未来に希望が持てると、それだけで人は強くなれるのです。

このレターでは、私が特に重要だと思った部分についてのみ書きました。
会議の効率化や境界線の設定など、本書には他にも多くの実践的なアドバイスが詰まっています。
具体的なハウツーについては、ぜひ本を手に取ってみてください。

「忙しい」という言葉を誇らしげに使っていたら要注意。
新年度の始まりを前に、未来の自分が望む働き方のために計画を立ててみませんか?

4月からの新しいスタートに向けて、未来の自分のために、今日から小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

💪リデザインのためのアクション

1️⃣ 自分の優先順位トップ3を明確にする

  • 紙に「仕事」「家族」「健康」「趣味」「学び」など大切なことを書き出す
  • その中から本当に優先したい3つを選ぶ
  • 毎日の意思決定をこのトップ3に照らし合わせて考える習慣をつける

2️⃣ エネルギーレベルを意識した1日のスケジュールを作る

  • 自分がもっともエネルギッシュな時間帯を特定する
  • 集中力を要する重要なタスクをその時間帯に配置する
  • エネルギーが低い時間帯には、単純作業や休憩を入れる

3️⃣ 未来の自分の視点から今日のスケジュールを見直す

  • 明日の朝、「昨日の自分」に感謝したくなるような行動を1つ決める
  • 1年後の自分が喜ぶような小さな投資(時間・お金・学び)を毎日1つ行う
  • 「今日これをやらなかったら未来の自分が困るか?」と問いかけてみる

🎯次回予告

「なぜ一度移住した地を離れ、また新たな土地へ?」
次回は東京生まれ東京育ちの夫・筒井洋充のリデザインストーリー第4話をお届けします。大手航空会社を45歳で脱サラ、瀬戸内海の小豆島でオリーブ農家として新生活を始めた筒井。
しかし、わずか2年で小豆島から熊本県天草へと再び移住することになりました。なぜ彼は再移住という選択をしたのでしょうか?

理想と現実のギャップ、そして「持続可能な地方生活」を追求する中で気づいたこととは?
地方移住を考える方も、すでに移住された方も、人生の選択に迷う全ての方にとって、貴重なヒントが詰まった内容です。ぜひお楽しみに!

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