生成AIの登場をきっかけに、9年のフリーランスから組織参加へ。地方在住ライターが選んだ複業という挑戦。バラバラだった経験を強みに変える、新しい働き方のヒントをお届けします。
のりーです。2月も終わりに近づき、日差しに少しずつ春の気配を感じる季節となってきました。まだまだ寒い日が続きますが、この時期だからこそ、新しい働き方への準備を始めるのに最適な時期かもしれません。
今回はフリーランスから組織参加へ、そして複業という新たな挑戦を始めた私の経験をお伝えします。なぜ組織参加を選んだのか、複業によるメリットは何か。春までの準備期間を使って、自分らしい働き方を探るヒントになれば幸いです。
✨️春に向けて、新しい働き方の準備を始めよう
約9年のフリーランス生活を経て、今年1月から私は組織に戻る選択をしました。きっかけは2022年11月に登場したChatGPTです。
生成AIの急速な進化により、文字起こしや音源からの記事作成といった、これまで確実にあった仕事は、次々と変化していきました。
「今の延長線上で、この先の30年を、やっていけるのか」
この問いは、新たな可能性を探るきっかけになりました。フリーランスの仕事は過去の経歴や実績に基づいて依頼されることが多く、新しい分野への挑戦機会は限られているからです。
私は大学卒業後、半導体特許の翻訳、役員秘書、国家公務員、保険の法人営業と多岐にわたる領域で活動してきました。
フリーランスになってからは、ライター業の傍ら、夫の営む柑橘農園の加工品製造やEC販売にも携わってきました。
多様な経験は、時として「何が得意なのかわかりにくい」という評価につながります。特にフルリモートの仕事では、実績がより重視される傾向にあります。
私の場合、「この人はこの分野に強い」と一目でわかる実績がないため、直接会って話をする機会があった方が、自分の経験や考えを伝えやすく、仕事につながりやすいと感じていました。
しかし、私は地方に住んでいるにも関わらず、地元のつながりがほとんどありません。それは、無視できない課題でした。
将来を見据えたとき、必要なのは「新しい分野での経歴・実績作り」でした。変化の激しい時代に、自分の可能性を広げるには、新たな一歩を踏み出す必要があると感じたのです。
キャリアの転換点で考えたこと
選択肢は2つありました。
個人で新規事業を立ち上げるか、組織で新しい経験を積むか。
個人での挑戦は自由度が高い反面、軌道に乗るまでに時間がかかります。
私がライターとして家計を担える収入を得るまでには、約5年かかりました。
その経験から、立ち上がりに時間がかかることは実感としてわかっていました。
一方、組織での経験は、既存の基盤の上で新しいことにチャレンジできます。
組織に戻る決断をする際、重視したのは以下の3点でした。
- 今持っているスキルを活かしながら、新しい領域にチャレンジできること
- 若い世代との協働を通じて、自身の経験を社会に還元できること
- 5年後に再びフリーランスとして活動する際の武器となる経験が得られること
地方で働くことの現実と挑戦
ところが、そう簡単ではありませんでした。
組織に戻る選択肢を考え始めたものの、すぐに東京と地方の働き方改革の温度差も感じました。
地元の企業では、まだまだ「9時〜17時の出社」が当たり前。リモートワークや副業・複業を認める企業は限られています。
フリーランス時代、クライアントのほとんどは東京の企業でした。
リモートで仕事はできても、「会おうと思えばすぐに会える」という安心感は、仕事を任せる側にとって重要な要素です。
そのため、職探しでは、本社が東京にあり、地方拠点を持つ企業を中心に検討しました。
地方は制約が多いと思われがちです。しかしその制約は、逆に「どのような形なら地方でも新しいチャレンジができるか」を真剣に考えるきっかけにもなり得ます。
私の場合は、結果として、地方在住だからこそ、組織とフリーランス、双方の良さを活かした働き方を模索することになりました。
経験の掛け合わせによる価値創造
現在所属するIT企業では、これまでの多様な経験が活きています。
サービスの提案時には、技術的な実現可能性に加えて、「このサービスが導入されることで、生活者の日常がどのように変化するのか」「なぜそれが社会やにとって意味があるのか」といった、より本質的な価値を示すことができています。
とりわけ大きな強みとなっていると感じるのは、ライターとして取材する側と、サービス提供者として取材される側の両方を経験してきたことです。
企業が伝えたい情報と、受け手が求める情報には、往々にしてギャップが生じるもの。このギャップを埋め、双方にとって価値のある提案ができることは、チームへの具体的な貢献につながっています。
さらにフリーランスの仕事は、組織での経験により深みを与えてくれます。さまざまな業界の取材で得られる最新のトレンドや知見は、社内でのプロジェクト提案をより説得力のあるものにしてくれていると感じます。
新たな可能性との出会い
組織に参加してまだ2ヶ月。この複業という選択について、確かなことは何も言えない段階です。
ただ、これまでバラバラに見えた経験が少しずつつながり始めました。組織とフリーランス、どちらかだけでは得られない学びがあることを、日々実感しています。
組織での仕事を通じて出会った仲間たち、長年支援してくれるクライアントの方々。彼らとの出会いが、私の可能性を広げてくれています。
複業は、決して特別なものではありません。誰もが持っている興味や経験を、違う角度から見つめ直すきっかけになると言えそうです。
💪リデザインのためのアクション
1️⃣今の自分を見つめ直す
- 仕事での経験、趣味、副業・複業を書き出す
- 「当たり前」と思っている経験や知識を棚卸し
- 自分の興味分野をリストアップ
2️⃣新しい可能性を探る
- 興味のある分野の情報収集を始める
- オンライン・オフラインのイベントをチェック
- 地域のコワーキングスペースを調べる
3️⃣小さな一歩を踏み出す
- SNSでの情報発信を始める
- 気になるコミュニティに参加
- スキルシェアサービスに登録してみる
複業は一気に始める必要はありません。春の訪れとともに、少しずつ準備を進めていくことで、自然な形で新しい可能性が見えてくるはずです。まずは、自分のペースで準備を始めてみませんか?
🎙️Podcast
🎯次回予告
3月のテーマは「変化と移行」です。1週目は、大手航空会社から地方移住、柑橘農家に転身した筒井洋充のリデザインストーリー。新生活の立ち上げ方を、具体的なエピソードとともにお届けします。
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