3BookPick

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N006 | 「ありがとう」と言える場所へ 。「傷つき」から始める関係づくり

作者

リデ

リデザインドジェーピーGK

Creator

更新日

2/14/2025

「暮らすと働くをリデザインしよう」というテーマで、ワークライフデザインについて話し合う様子を捉えた写真です。木目調のテーブルを囲み、書類やタブレット、ノートを使いながら、真剣な表情で議論しています。ビジネスシーンを想起させる、落ち着いた雰囲気の写真です。

「働く」と「暮らす」を一体的に見つめ直すニュースレター。今週のBookPickは『職場で傷つく リーダーのための「傷つき」から始める組織開発』をご紹介。組織の中で感じる様々な感情と向き合い、具体的なアクションとともに、より良い関係づくりを探ります。

こんにちは、のりーです。 2月も半ばに差し掛かり、少し春めいてきましたね。今週もニュースレターを読んでいただき、ありがとうございます!

今週のBookPickでご紹介するのは、「傷つき」にフォーカスした本です。
「仕事に感情は不要」―― こんな言葉を耳にすると、どこか息苦しさを感じませんか? 特に「傷つきました」という言葉は、仕事では禁句のように扱われがち。

でも、その「傷つき」こそが、実は新しい関係性を築くきっかけになるかもしれません。

✨️BookPick:『職場で傷つく リーダーのための「傷つき」から始める組織開発』

「ありがとう」

あなたは最後にいつ、誰からこの言葉を聞きましたか? あるいは、誰かに伝えましたか?

私は今年1月、約10年ぶりに組織に参加しました。フリーランスとして「一人」で過ごす時間が多かった私にとって、再び誰かと協働することは、期待と同時に少しばかりの不安を伴う選択でした。

しかし、その不安はすぐに消え去りました。他者と意見を交わし、刺激を受け、チームの一員として認められる喜び。そんな経験を通じて、「一人」では決して得られない価値を実感するようになったのです。

でも、組織で働くことは、良いことばかりではありません。人間関係の摩擦、意見の衝突、そして時には、言葉にできない「傷つき」を感じることもあります。

そんな時に出会ったのが、この本――『職場で傷つく リーダーのための「傷つき」から始める組織開発』でした。

職場での傷つき、という衝撃的なタイトルが目を引く書籍の表紙です。リーダーシップや組織開発について、傷つきというキーワードから考察する内容のようです。手と星のイラストが、本書のテーマを象徴的に表現しています。

『職場で傷つく』勅使河原真衣(著)

著者は、私たちが無意識のうちに抱いている「優秀さ」という概念に、大胆な疑問を投げかけます。

「優秀さ」は、誰と、何をするかで変わる
私たちはつい、「あの人は優秀だ」と、学歴やスキルといった目に見えるもので判断しがちです。しかし、本当にそうでしょうか?

2019年、東大の入学式で上野千鶴子さんが「頑張ったら報われる」という考え方に疑問を投げかけ、話題になりました。努力できる環境に恵まれていること、そして今の自分があるのは、努力だけでなく、周囲の環境や支援のおかげであること。

この言葉は、環境が人の能力や可能性にいかに大きな影響を与えるかを教えてくれます。
たとえば、こんな経験はありませんか?

  • 前の職場では全く評価されなかった人が、新しい環境で才能を開花させる
  • 尊敬できる上司との出会いが、自分の成長を加速させる
  • あるプロジェクトでは力を発揮できたのに、別のプロジェクトでは全くうまくいかない

これらの経験は、「万能的な優秀さ」など存在しないことを物語っています。私たちの能力は、誰と、何を、どのように取り組むかによって、大きく変化するものなのです。

そして、このことは、職場における「傷つき」とも深く関わっています。

本書では、「傷つき」は、良好な関係を阻害する要因として捉えられています。もし、あなたがある人物に対して、どうしても良い感情を抱けないのだとしたら、その背景には過去の「傷つき」が隠されているかもしれません。

「あの人は、どうしていつも冷たいんだろう?」 「なぜ、私ばかりこんなに大変な思いをするんだろう?」

そんな風に感じた時は、少し立ち止まって考えてみてください。もしかしたら、相手もまた、何かに「傷ついて」いるのかもしれません。

では、私たちはどうすれば良いのでしょうか?

環境は与えられるものではなく、創り出すもの

重要なのは「環境」を与えられたものとして受け身で捉えるのではなく、自ら選び、創造していくものとして認識することです。

  • 今の職場
  • パートナー
  • 仕事仲間

これらは全て、私たちが主体的に選択できる要素です。著者は、2人以上が目的を持って集まれば、それは「組織」だと言います。家庭もまた、私たちがデザインしていくプロジェクトなのです。

私の所属する組織では、ストレングスファインダーの結果を全社員で共有しています。これは、「どんな機能が必要かは、目指す成果次第」という本書の考えにも通じるところがあります。まだまだ発展途上ですが、この取り組みは関係性を深める一助となっていると言えるでしょう。

だからこそ、人間関係で壁にぶつかっても、すぐに「合わない」と判断せず、「何が良好な関係を阻んでいるのだろう?」と考えてみることが大切です。

目指すものを明確にし、そこに向かって共に歩むことで、関係は深まり、私たち自身も成長していきます。

そしてその答えを探るために、まずできることは、身近な人に「ありがとう」と伝えることかもしれません。

「いてくれてありがとう」

この言葉は感謝の気持ちを伝えるだけでなく、相手の存在を認め、尊重するメッセージにもなります。選んだ縁を大切に育みながら、共に成長していく。そんな希望を胸に、私たちは一歩を踏み出すことができるのです。

この本は、組織の中で「傷つき」を感じている全ての人に、そっと寄り添い、温かい光を届けてくれるはずです。

💪リデザインのためのアクション

1️⃣「感情の地図」を描く(毎日5分)

  • 毎日、職場での感情の動きをメモする
  • 特に「傷ついた」と感じた場面は、以下の3点を記録 
  • 「どんな状況で?」 「 なぜそう感じた?」「  どうなれば良かった?」
  • 週末に振り返り、パターンを見つける

2️⃣「ありがとうの輪」を広げる

  • 毎日1人に、具体的な「ありがとう」を伝える
  • 相手の反応をメモし、関係性の変化を観察

3️⃣「目的の木」を育てる

  • チームの目的を「幹」として書き出す
  • メンバーの強みを「枝」として追加
  • 達成したい成果を「実」として描く
  • チーム内で共有し、定期的に更新

🎙️Podcast

🎯次回予告

新年度はキャリアの新しい1ページを開く絶好のタイミングです。
次回は、私自身の経験から「複業」という選択肢についてお伝えします。

  • なぜ今、複業なのか? 
  •  単なる副業ではない、学びの相乗効果 
  •  複数の現場での学びの統合方法

など。来週もお楽しみに!

***

今週の本

職場での傷つき、という衝撃的なタイトルが目を引く書籍の表紙です。リーダーシップや組織開発について、傷つきというキーワードから考察する内容のようです。手と星のイラストが、本書のテーマを象徴的に表現しています。

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